自然換気が有効

updated: 2020.05.01.

新型コロナウイルスの「密閉」対策には
自然換気が有効だ。

 新型コロナウイルス対策に、「3密」を避けるのが有効と発表されている。「密集」「密接」はソフトの課題だが、「密閉」はハードの問題だ。これを検証することで、現在できる換気対策の一助になればと思う。
 まず確認したいのは、本当に有効な換気かということだ。感染症対策としては、換気=外気取入れという意味であることを前提とする(厨房などの害虫対策と矛盾する部分があるが、感染対策として検討する)。2003年に同じコロナウイルスのSARSが流行した時、中国・広州にあるICU(集中治療室)で働く医療従事者に多くの感染者が見られたのに対して、窓にガラスがなく外気は入り込む臨時病室では感染例がなかったという論文報告がある。実際、今回の日本でも、ライブハウス、ナイトクラブなど、換気が悪いところで集団発生が起きている。
 では、適切な換気とはどれくらいなのだろうか。わかりやすい指標として、1時間あたりどれくらい気積(面積×高さ)が入れ替わったかの回数を「換気回数」と表示しているので、それで整理してみたい。日本医療福祉設備協会が示している基準では、一般病室の換気回数は2回である(全体の風量は、その3倍であるが、3分の2は循環された空気である)。病室におけるインフルエンザ対策でも、2回以上が有効とされている。感染学会の論文、専門医からの助言より、私見だが「換気の良い」というのは、1.5回以上の外気取入れではないかと提言する。
 では、ホテルなどの客室はどれくらいの換気量かを検証する。エアコンは室内の空気を循環させているだけなので、換気回数は「0」である。シックハウス対策で設定されている24時間換気の換気量は0.5回。一般的に多いファンコイル方式は、外気を一次空調機に取り入れ、温度調整してから客室近く、もしくは廊下に供給する。客室からの排気は浴室・便所などからとなるので、計算上、流入される外気は1.3回程度。しかし風量を絞ったり、フィルターでのロスを考慮すると、1.0回程度と想定される。つまり、現状の5割増しを補う必要があるだろう。
 では、具体的にどうすればいいか。まず、窓を開ける。自然換気における大気圧の差は非常に有効で√h倍、つまり4mの階高なら2倍、5階建て(16m程度)なら4倍の効果が見込める。これには、給気口側の確保が必要条件である。給気口の蓋が開放されているかの確認、外気取入れ用ガラリのフィルター清掃、玄関を常時少し開けておく、などである。空気は粘性が高いので、給気側の開口が確保されていないと性能が発揮できない。今こそ、玄関扉を開放し、フィルターの清掃をしましょう。