PAPILLON BLDG. P144
- 施主
- 株式会社サンシャインシティ
- 竣工
- 2022年12月
- 用途
- 飲食店・イベントスペース
- 所在地
- 豊島区池袋
街のコミュニティ拠点となるスペースをつくるプロジェクト。耐震上問題のあった6階建てを3階建てに減築。上部を軽量化し耐震性能を確保した。
池袋東口の間近に建つビルの改修・減築プロジェクトである。既存建物は昭和36年に竣工し築60年となる鉄筋コンクリート造の6階建てである。施主はサンシャインシティで、池袋の街に新たな賑わいを創出する街のインフォメーションセンターを兼ねた交流の場になる施設を作ろうとはじまったプロジェクトであった。
当初は新築も検討していたが、既存建物の新築では再現が難しいプランや風合い、加えて環境保全の観点から改修を決めた。減築による耐震性能の確保脆性柱があり耐震強度の確保ができなかった 4 階以上を撤去した。これによって荷重が軽量化し、事前の調査では 0.27 程度と低かった Is 値 ( 耐震指標 ) は、減築後は 0.60 以上となり、必要な耐震強度を満たしている。工期の面においても、ビルを減築しリノベーションする場合、ビルを解体し、同規模で新築した場合と比較して、約 10 か月の工期の短縮を実現した。
1 階店舗(改修後)天井を撤去、階段室に増築されていたエレベーターを撤去し、高い天井とロフトのある新築時当時の姿を再現した。半階下がった場所には厨房洗い場を設けた。1階はもともとあった4m以上の天井高を生かし、通りに開かれた大きな引き込み戸のある開放的な店構えとなった。
減築では新築時と比べ、解体量が少なく、運送量の削減による二酸化炭素の排出量が低減できる。また、工期の短縮により解体中の騒音などの工事中の近隣への負担も抑えることができる。
昭和 36 年に新築され、唐紙屋、中華料理店、楽器店などと用途を変え池袋の繁華街の変遷とともにあった建物は、今後はパブやイベントスペースとして活用される。人々の交流の場となる街に開かれた空間を目指した。