料亭あやめ

三日月

40年前から続く、てんぷら屋さんのインテリアである。
母屋（西川流おどりの稽古場）の庭を望み、静かな空気が漂い、名古屋の中心地とは思えない別天地となっている。この緑を背景に用い、「てんぷらを如何においしく味わってもらえるか」をテーマに構成した。
すなわち、揚げたところより、一尺（約３０センチ）ごとに味が落ちるというオーナーの助言に従い、カウンターが必然と三日月となった。それは、天井にもリフレインし、てんぷらという繊細な食べ物を活かすように優しい素材で空間を包みこんだ。

清水建設在籍時作品